【7-02】(神戸新聞社、文と写真・小日向務)を編集
毎月20日はイベントなどで、のぼりを掲げて「ととの日」をPRする=兵庫県香美 |
日本海に面した兵庫県 香美 (かみ) 町では毎月20日、漁港や商店の前などに「ととの日」を告げる青いのぼりがはためく。
「とと」は、地元の幼児言葉で魚を意味する。
同町 香住 (かすみ) 区では、イカやカレイなど豊富な魚介類が水揚げされる。
冬のマツバガニは広く知られ、関西を中心に訪れる観光客は多い。
半面、全国的に漁獲量や魚の消費量の減少傾向が続き、地域経済は振るわない。
そんな中、香美町議会が今年2月、魚食普及の促進をうたう条例案(議員提案)を可決した。
条例は「ととの日」を定めるほか、漁業者や水産加工業者に高い安全性と品質確保などを、住民には魚の利用や消費を、それぞれ努力目標として求める。
魚食普及を狙った条例について、兵庫県は「県内はもちろん、全国でも初めてではないか」とし、水産庁の水産白書でも紹介された。
盛り上げ役は町内の漁業、水産業者らが4月に発足させた「とと 活隊 (かつたい) 」が担う。
のぼりを掲げるほか、鮮魚の特売や料理教室、海鮮バーベキュー大会を月ごとに催してきた。
県や商工業者らでつくる魚介類の新メニュー開発グループなどとの連携も推進。
町も料理教室などの材料となる魚の提供などで協力する。
「住民や町内外の取引先から『面白いことをやっているな』『もっとイベントを開いて』などとよく声を掛けられるようになった」。
とと活隊の隊長を務める水産加工業者の 浜上栄作 (はまがみ・えいさく) さん(50)は手応えを示し、「香美町の魅力をさらにアピールし、地域の活性化につなげたい」と意気込む。
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