条例定め伝統の温麺、良さ見直し。宮城県 白石 温麺 (うーめん)
【5-01】 (河北新報社、文と写真・瀬川元章)を抜粋編集
高級品の手延べ温麺の製造作業。麺をのばし乾燥させる光景は乳白色のカーテンのよう |
400年の歴史を誇る宮城県白石市民のソウルフード「白石 温麺 (うーめん) 」。
市議会で3月、「奥州白石温麺振興条例」が議員提案で成立し、地場の特産品の良さを見直す動きが出ている。
条例は乾麺の業界団体が定めた「七夕・そうめんの日」(7月7日)にちなみ、毎月7日を「白石温麺の日」と決めたのがみそ。
白石温麺の主原料は小麦粉、塩、水とシンプル。
そうめんよりやや太めで、長さは半分の9センチ。
江戸時代、胃を患った父の回復を願う息子が消化が良く、油を使わない製法を考案。
しょうゆ味のつゆで食べるのが一般的だが、ナポリタン、チャンプルーなど温冷、和洋中のレシピは多彩。
市内で和食店を営む 今井大助 (いまい・だいすけ) さん(44)は「麺が短くすすらなくても食べられるので、お年寄りや女性、外国人にも好評。
地元産の食材で新メニューを創作したい」と意気込む。
市によると、2012年度の出荷量は1965トン、出荷額は7億5238万円。
乾麺全体の需要は減少傾向で、温麺も例外ではない。
奥州白石温麺協同組合の 吉見光宣 (きちみ・みつのり) 理事長(58)は「伝統ある食文化を後世に残すべく、若い世代に積極的にPRし、仙台、東京へと打って出たい」と話す。
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