Thứ Sáu, 8 tháng 5, 2015

安部首相演説のなにが米議会を熱狂させたのか? 北野幸伯(よしのり)の分析

なにが米議会を熱狂させたのか?安部首相演説の全文を徹底分析  
北野幸伯(よしのり)

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安倍スピーチは、歴史的なホームランであったと絶賛する北野幸伯(よしのり)の安倍スピーチの分析です。
北野幸伯(よしのり)はモスクワ在住の国際関係学者です。
以下に、全7項を1本にして引用抜粋します。 
政治性を抜きにした「スピーチ」の分析です。
長文。

(桑原政則)

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1. 安倍総理の米議会演説は、成功か? 失敗か?

安倍総理は2015年4月29日、アメリカ上下両院合同会議で演説しました。
賛否はどうなのでしょうか?

まず「背景」を把握しよう

どんな話をするにも、まず背景を知っておくことが大事です。
日本はどんな状況なのか?
アメリカはどんな状況なのか?
世界はどんな状況なのか?

08年、リーマンショックから「100年に1度の経済危機」が起こりました。
これで中国は、「アメリカは没落した。わが国は、これから自由に国益を追求できる!」
と確信したのです。


2010年9月、尖閣中国漁船衝突事件が起こりました。
これをきっかけに、中国は「尖閣はわが国『固有の領土』であり、『核心的利益』である!!」と全世界に宣言します。日本も対抗措置をとらざるをえず、2012年9月、政府は尖閣を「国有化」しました。
これに激怒し、中国では超大規模な「反日デモ」が起こったのです。

問題はこの後です。中国の代表団が、同盟国ロシアの首都モスクワにやってきました。
そして、「中国、ロシア、韓国、【アメリカ】で、【反日統一共同戦線】をつくろう!」と提案したのです。
そして、中国は、全世界で大々的な「反日プロパガンダ」をはじめました。
韓国は、中国の先陣を喜んでつとめています。
ここ2~3年、「慰安婦問題」が大騒ぎになっていますね。
これも要するに、中国の「反日統一共同戦線構築戦略」の一環なのです。

中国が罠をしかけたことを知らない安倍総理。2013年12月26日、靖国を参拝しました。
すると、中韓だけでなく、アメリカ、イギリス、EU、ロシア、オーストラリア、シンガポール、台湾などなど、それこそ全世界から非難されたのです。
日本政府は、中国の対日戦略を知らないので、「なんでそうなるの??」とわけがわからなかった。だって、「小泉総理は在任中6回靖国を参拝したのに、騒いだのは中韓だけだったじゃないか????」と。
特にアメリカの怒りはすさまじく、ブルームバーグは、「尊大な安倍を懲罰せよ!」などと主張していた。中国の戦略は、まさに成功しつつあった。

2. (無題) 安部首相にふたつの神風       

そんなとき、安倍総理に「神風」が吹きます。
そう、プーチン・ロシアが2014年3月、クリミアを併合してしまった。
これで、アメリカは、日欧を巻き込んで「対ロシア制裁」を課す必要がでてきた。
安倍叩きは、ひとまずおさまりました。

しかし、さらに「神風」が吹きました。それが、「AIIB」事件。
中国主導で設立される「アジアインフラ投資銀行」(AIIB)。
アメリカが「入るなよ!」と命令していたのもかかわらず、イギリス、フランス、ドイツ、オーストラリア、韓国などが入ってしまった。
なんと57カ国が参加し、大国で不参加はアメリカと日本だけになってしまった。
これで
日本は、アメリカにとって、「唯一裏切らなかった忠実な友になった。
中国は、「覇権を狙うアメリカの主敵」。韓国は、「裏切り者」。こういう「追い風」の中で、安倍総理の演説は行われたのです。

演説の目的は

中国世界戦略の最重要課題は、「日本とアメリカを分裂させることなのです。
GDP世界1のアメリカと3位の日本を分裂させる。
そうすれば、尖閣・沖縄を容易に強奪できる。
大きなところでは、中国がアメリカを蹴落として覇権国家になることができる。
中国の戦略の要=【日米分断】にある。
そうであるなら、日本の戦略の要は、【日米関係強化】にある。というわけで、安倍演説の目的は、「日本とアメリカの関係を強化すること」だった。

3. 失敗する演説、成功する演説

失敗する演説については、こう書きました。

【間違い1】日本の実績、安倍内閣の実績を延々と話してしまう

【間違い2】中国、韓国の悪口をいってしまう 

【間違い3】歴史問題で弁明してしまう


歴史問題には触れることなく、できれば記者会見なども開かない方がよいでしょう。 
何か聞かれたら、「日本は第2次大戦について非常に強く反省している。 
日本はその反省の上に、70年間平和を維持してきた。 
今後も、日本が他国を侵略することなどありえない」などと、日本にもアメリカにも、中韓にもいいようにうまくいうべきです。
簡単にいえば、
・自慢話はそこそこに
・中韓の悪口をいうな
・歴史問題で弁明するな
・とにかく、アメリカを褒めまくり、「アメリカが大好きである!」ことを示せ

とまあ、こういう話だったのです。で、実際の演説はどうだったのでしょうか?

4. 安倍総理は、「アメリカ大好き民主主義者」であることを宣言した

安倍演説について、中韓メディアは、もちろん批判しています。日本のメディアも「謝罪がなかった」などと批判しています。

しかし、皆さんは、是非安倍総理の演説全文を読んでいただきたいと思います。できればアメリカ人の気持ちになって。

まず、これを読むとわかりますが、総理は上記三つの間違いをしませんでした。
終始一貫して、「アメリカを褒めること」に徹しています。
見てみましょう。
私個人とアメリカとの出会いは、カリフォルニアで過ごした学生時代にさかのぼります。家に住まわせてくれたのは、キャサリン・デル・フランシア夫人。寡婦でした。亡くした夫のことを、いつもこう言いました、「ゲイリー・クーパーより男前だったのよ」と。心から信じていたようです。

デル・フランシア夫人のイタリア料理は、世界一。彼女の明るさと親切は、たくさんの人をひきつけました。その人たちがなんと多様なこと。「アメリカは、すごい国だ」。驚いたものです。

のち、鉄鋼メーカーに就職した私は、ニューヨーク勤務の機会を与えられました。

上下関係にとらわれない実力主義。地位や長幼の差に関わりなく意見を戦わせ、正しい見方ならちゅうちょなく採用する。

 農民大工の息子が大統領になれる──、そういう国があることは、19世紀後半の日本を、民主主義に開眼させました。日本にとって、アメリカとの出会いとは、すなわち民主主義との遭遇でした。出会いは150年以上前にさかのぼり、年季を経ています。
ここで総理は、「リンカーン」を尊敬し、「民主主義」を非常に大切にしていることを明らかにしています。

安倍総理は、戦争で亡くなったアメリカの兵士に謝罪した
つづいて総理は、第2次大戦の話をされます。
歴史とは実に取り返しのつかない、苛烈なものです。私は深い悔悟を胸に、しばしその場に立って、黙とうをささげました。

親愛なる、友人の皆さん、日本国と、日本国民を代表し、先の戦争に斃れた米国の人々の魂に、深い一礼をささげます。とこしえの、哀悼をささげます。
ここで明確に、第2次大戦で亡くなったアメリカ兵士にお詫びしています。

5. 総理は、日米の和解を劇的に演出した

この後、演説の見所がやってきます。
みなさま、いまギャラリーに、ローレンス・スノーデン海兵隊中将がお座りです。70年前の2月、23歳の海兵隊大尉として中隊を率い、硫黄島に上陸した方です。
…。

もうおひとかた、中将の隣にいるのは、新藤義孝国会議員。かつて私の内閣で閣僚を務めた方ですが、この方のおじいさんこそ、勇猛がいまに伝わる栗林忠道大将・硫黄島守備隊司令官でした。これを歴史の奇跡と呼ばずして、何をそう呼ぶべきでしょう。

熾烈(しれつ)に戦い合った敵は、心の紐帯(ちゅうたい)が結ぶ友になりました。スノーデン中将、和解の努力を尊く思います。ほんとうに、ありがとうございました。
硫黄島で実際に戦ったスノーデンさん。
栗林大将のお孫さんである新藤さん。
この二人ががっちり握手する姿を見て、大きな拍手が起こりました。その場にいたアメリカ議員さんたちも、感動したことでしょう。

戦後、日本はアメリカ側につくことで繁栄した

つづいて総理は、「大戦の反省」を述べます。
戦後の日本は、先の大戦に対する痛切な反省を胸に、歩みを刻みました。

自らの行いが、アジア諸国民に苦しみを与えた事実から目をそむけてはならない。これらの点についての思いは、歴代首相と全く変わるものではありません。

アジアの発展にどこまでも寄与し、地域の平和と、繁栄のため、力を惜しんではならない。自らに言い聞かせ、歩んできました。この歩みを、私は、誇りに思います。
 …

米国が自らの市場を開け放ち、世界経済に自由を求めて育てた戦後経済システムによって、最も早くから、最大の便益を得たのは、日本です。

下って1980年代以降、韓国が、台湾が、東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国が、やがて中国が勃興します。今度は日本も、資本と、技術を献身的に注ぎ、彼らの成長を支えました。

ここで総理は、「日本が戦後発展したのはアメリカのおかげです」といっている。確かに、ソ連に占領されていれば、戦後の発展はなかったことでしょう。

6. 日本の改革は、「アメリカの利益」でもある

アジアの海について、私がいう3つの原則をここで強調させてください。

第1に、国家が何か主張をするときは、国際法にもとづいてなすこと。

第2に、武力や威嚇は、自己の主張のため用いないこと。

そして

第3に、紛争の解決は、あくまで平和的手段によること。

太平洋から、インド洋にかけての広い海を、自由で、法の支配が貫徹する平和の海にしなければなりません。そのためにこそ、日米同盟を強くしなくてはなりません。私たちには、その責任があります。
これは、名指しはさけているものの、明確に、「日米で中国の野望を粉砕しましょう」といっている。
中国が「アメリカから覇権を奪おう」と行動している。ですから、アメリカにとって、安倍総理の言葉はありがたかったことでしょう。

そして、日本としても、「アメリカが中国を封じ込めてくれなければ勝てない」という切実な問題がある。つまりこの件で、日米は「利害を共有している関係」にあるのです。

安倍総理は、日本の「世界観」と「政策」を示す

いまや私たちが掲げるバナーは、「国際協調主義にもとづく、積極的平和主義」という旗です。

自由世界第一、第二の民主主義大国を結ぶ同盟に、この先とも、新たな理由付けは全く無用です。それは常に、法の支配、人権、そして自由を尊ぶ、価値観を共にする結びつきです。
この部分、非常に重要です。
日本の世界観は、「法の支配」「人権」「自由」である。つまり、「アメリカと同じですよ」といっている。
「平和憲法さえあれば日本は安全だ」なんて、「夢物語」です。中国はそんなにあまくないですよ。


7. 総理は、「アメリカは世界の希望である!」と宣言し、アメリカを味方につけた

そして、いよいよ演説のクライマックスがやってきます。
2011年3月11日、日本に、いちばん暗い夜がきました。日本の東北地方を、地震と津波、原発の事故が襲ったのです。
そして、そのときでした。米軍は、未曽有の規模で救難作戦を展開してくれました。本当にたくさんの米国人の皆さんが、東北の子供たちに、支援の手を差し伸べてくれました。

私たちには、トモダチがいました。被災した人々と、一緒に涙を流してくれた。

そしてなにものにもかえられない、大切なものを与えてくれた。

希望、です。

米国が世界に与える最良の資産、それは、昔も、今も、将来も、希望であった、希望である、希望でなくてはなりません。

米国国民を代表する皆様。私たちの同盟を、「希望の同盟」と呼びましょう。アメリカと日本、力を合わせ、世界をもっとはるかに良い場所にしていこうではありませんか。

希望の同盟──。一緒でなら、きっとできます。
ありがとうございました。
なんと、「アメリカは、世界の【希望】だ!」というのです。
AIIBでは、イギリス、ドイツ、フランス等欧州の大国、オーストラリア、イスラエル、韓国までがアメリカを裏切った。
世界的に孤立し、不安を感じているアメリカのエリートに、安倍総理は、「アメリカは世界の希望だ!!」という。
こんなにありがたく、うれしいこと言葉はなかったことでしょう。

安倍演説は、「歴史的」であった

詳しくみてきました。

覇権を狙う中国の最重要戦略は、「日米分断」である。だから日本は、「アメリカを味方につけなければならない」。これが演説の「目的」でした。


そして、安倍総理は、そのミッションを見事にはたされました。一日本国民として、総理のすばらしい演説に、心から感謝申し上げます。


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    なにが米議会を熱狂させたのか?安部首相演説の全文を徹底分析 (全文)

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