町中心部を一望できるポイントで、風景を楽しむフットパスモニターツアーの参加者たち |
細川藩の「宝暦の改革」(1752年)以降に造られたもので、他の地域では架け替えなどで姿を消す中、大切にされながら現在まで残ってきた。
そんな"石橋の里"で2011年から動きだしたのが、英国生まれの「フットパス」。
石橋のほか、棚田や山林、路地など、地域の資源を活用した散歩道を楽しむ取り組みだ。
きっかけは、アーチに差し込む光がハート形に見える石橋が「恋人の聖地」と話題になったことだった。
取り組みを始めた「美里NPOホールディングス」の浜田孝正(はまだ・こうせい)理事長(46)は「観光客の滞在時間を延ばしたかった。
イベント型ではなく、今あるものを生かそうと思った」と振り返る。
有志で試し歩きを繰り返し、鉄道跡巡りなど七つのコースを設定した。
コースづくりには町民らの協力が欠かせない。
7月のモニターツアーでは、古町地区の公民館で住民らが参加者に食事を振る舞い、交流を楽しんだ。
左座重光(ぞうざ・しげみつ)区長(59)も「外部の人との交流で地域が元気になり、住民が集まるきっかけにもなる」とフットパスを歓迎する。
このほか、町商工会は特産品開発やコースの道標設置を担当。
町雇用促進協議会は石橋インストラクター6人を養成した。
コース内の地域では、住民の自発的な清掃活動も目立ってきた。
9月までには、モニターツアー参加者の意見などを参考に、新たに5コースを決める。
浜田理事長は「何もないことが、実は素晴らしいということを実感した」と話している。
* 豊かな自然と、のどかな景観に恵まれた美里町だが、そこで暮らす人たちは、意外に町の魅力や素晴らしさに気付いていない。
フットパスの取り組みは、地元の人たちが、地域の魅力や素晴らしさを再確認する絶好の機会でもある。
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