さまざまな「マリコ」を前に作業する大御堂恵子さん |
〓(順の川が峡の旧字体のツクリ)の染まった丸い顔。
独特の風貌の人形に「それでいいのよん」「うまくいくわよん」といった前向きなメッセージが添えられている。
「マリコ」と名付けられた女の子の人形が、長野県富士見町の新たな名物になりつつある。
町内で買えるのは商店街や道の駅など9カ所。
酒店では酒瓶を抱えた「よっぱらいマリコ」、豆腐店は四角い顔の「とうふマリコ」―とそれぞれ違う人形(1体980円前後)が売られている。
作っているのは、町内の人形作家、大御堂恵子(おおみどう・けいこ)さん(40)。
知人の高校生の娘に「マリコという名前がぴったり」と言われ、そのまま名付けた。
2010年夏のことだ。
最初は、女の子の形をした人形をレストランに置いただけだったが、文房具店にペンをかたどった「ペンマリコ」を納めたところ評判に。
「うちにもオリジナルのマリコを作ってほしい」との声が相次ぎ、さまざまな変わり種を作ることになった。
その店でしか買えないマリコ人形を集めよう―と町内を巡るファンも現れた。
大御堂さんによると、これまでに千体以上が売れたという。
町発行の観光情報誌には、昨年秋から「マリコが行く」と題するコーナーもでき、町の見どころを案内する役として登場。
町産業課主任の清水美紀(しみず・みき)さん(31)は「富士見町のPRに一役買ってくれている」と話す。
町内の商店で生まれ育った大御堂さん。
周りには閉店した店も多く、現在の商店街の姿に寂しさも感じるという。
「マリコをきっかけに町に興味を持ち、訪れる人が増えてほしい」。
そんな願いを込め、365日、休まずに針を動かしている。
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マリコ人形は、富士見町の友好都市、東京都多摩市にある共同のアンテナショップでも販売されている。
「キモかわいい」と評判。ルバーブジャムやそばといった町特産品とともに、多くの人に愛されることを願う。
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