北黄金貝塚公園にある復元された竪穴住居を見学する小学生ら。2013 |
北海道伊達(だて)市の史跡、北黄金貝塚公園は縄文時代前期から中期(7千~4500年前)の遺跡だ。
2001年のオープン以来、1万5千~2万人の年間来場者を誇る。
今季も札幌市内の小学校の約4分の1に当たる61校が訪れ、かつての牧場は観光バスが押し寄せる史跡に変貌した。
管理する伊達市噴火湾文化研究所の大島直行(おおしま・なおゆき)所長(63)=北海道考古学会会長=が「活用しながら保存する」方式を提唱し軌道に乗せた。
発掘見学会や市民を巻き込んだ縄文まつりを開き、ボランティアのガイドや植樹・森づくりを担う市民グループが活躍する。
講座だけでなく、キャンプや 竪穴住居での薫製作り、勾玉(まがたま)の製作など体験イベントの企画にも学芸員が知恵を絞り、地域資源に磨きを掛ける。
洞爺湖有珠山(とうやこ・うすざん)ジオパークの一部で、世界文化遺産の登録を目指す「北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群」の一角でもある。
大島所長は「道内遺跡のポテンシャルは高く、多くの人に知ってもらいたい」と強調する。
遺跡を抱える自治体とのネットワークも広がる。
同研究所が事務局を担う「北海道縄文のまち連絡会」=会長・田岡克介(たおか・かつすけ)石狩市長=には、25市町が参加。
36遺跡を掲載した「縄文のまちハンドブック」を9月に発行、スタンプラリーも企画する。
旅行会社がバスツアーを決定するなど、早くも手応えがある。
発足1年で会員が100人を数える、さっぽろ縄文探検隊の佐藤亜美(さとう・あみ)代表(45)は「アイヌ文化のルーツとされる縄文人の精神性など、興味は尽きない。
ハンドブックからは遺跡の魅力も伝わり、活用できそう」と話している。
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学習旅行の人気を集める理由は、貴重な出土品以上に情報を発信するボランティアや学芸員の存在にある。
洞爺湖有珠山ジオパーク
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